労働安全衛生法に基づき、従業員数50名以上の事業場では、産業医の選任が義務付けられています。労働安全衛生法およびその諸規則の遵守のために産業医を選任しているわけですが、具体的にはどのようなことをするのでしょうか。
一般的な業務としては、
・職場巡視
・健康相談
・健康診断の判定と面談
・休復職の際の面談
・ストレスチェック面談
・安全衛生委員会の出席
などが挙げられますが、そのほかにも業務の内容に応じた対応(化学物質管理等)や、健康保持増進のための活動が行われます。
労働衛生の3管理、5管理
一般的に、産業衛生は以下の5項目に分けられます。はじめの3点をまとめて3管理、すべて合わせて5管理と呼ばれます。
・作業環境管理
・作業管理
・健康管理
・労働衛生教育
・総括管理
一般に産業医が健康相談の面談を行ったり、健康診断の判定を行ったりするのは健康管理に該当し、職場巡視を行うことで作業環境管理や作業管理を行い、安全衛生委員会での講話が労働衛生教育に該当します。
労働災害防止計画やガイドライン
厚生労働省は、会社にやってほしい安全衛生対策について、5年おきに策定する労働災害防止計画(第○次防と呼ばれます)で明確にしているほか、具体的な項目に対してはガイドラインを策定するなどしています。
厚生労働省の出しているこうしたガイドラインや労働災害防止計画を遵守していけば、自然に安全衛生の質はあがっていきますが、費用面から遵守にはおのずと限界があります。また、労働衛生は「何もなければお金を生まず、何か起きれば損失が発生する」というリスクマネジメントの側面が強くあり、余剰コストと見られがちなところがあります。
ですので、安全衛生活動における産業医というのは、事業場の担当者様と限られた時間、予算についてのリソースマネジメントをする役割が大きいのではないかと思います。