健康経営や健康企業宣言の認定要件を満たしていくことは、認定を受けるかどうかは別としても、具体的な目標として役立つでしょう。ある程度要件を満たしていくことで、実際に認定を受ける機運が出てくるかもしれません。
1 健康企業宣言の観点:銀の認定から
健康企業宣言は銀の認定と金の認定の2種類が存在し、銀の認定は比較的達成が容易な目標になっています。
①健康診断
・健診の受診率の改善
・健康保険組合への健診結果提供
・検診の必要性の周知
②健診結果の活用
・再受診の通知の徹底
・特定保健指導の活用
③健康づくり
・健康づくりの担当者を決める
・ミーティング等で健康について話し合う
・健康測定機器の設置
・健康課題や問題の整理の実施
・健康づくりの目標設定
④食事
・日頃の飲み物への注意
・食生活が乱れないような取り組み
⑤運動
・業務に体操やストレッチを導入
・階段の活用など歩数を増やす工夫を実施
⑥禁煙
・喫煙の害の周知、健康教育
・受動喫煙防止対策の実施
⑦メンタルヘルス
・メンタルヘルス研修の実施
・メンタルヘルスの相談ができる環境づくり
2 健康企業宣言の観点:金の認定から
金の認定を取得すれば、健康経営の認定を受けることもそれほど遠い目標ではなくなっているでしょう。一方で、それなりに時間的・金銭的コストを要するものも増えてきます。
①健康診断
・健診受診率の改善
・健診の有所見率の改善
・特定保健指導の実施率の改善
・家族の特定健診受診率の改善
②健康管理
・治療中の従業員への支援体制
・感染症予防対策
③メンタルヘルス対策
・メンタルヘルス対策の計画策定
・ストレスチェックの受診率改善
・メンタルヘルスケアの窓口確保
・メンタルヘルス不調者への対応方針の策定
④過重労働防止
・過重労働防止対策の計画策定
・時間外・休日労働時間の管理
・長時間労働者の支援体制
・年次有給休暇の取得促進
⑤健康経営の取り組み
・社内外への健康経営の発信
・健康保持増進の計画策定
3 健康経営の観点から
健康経営は健康企業宣言と比べて比較的抽象的で、具体的な取り組みの内容は各事業者に任されています。ここでは、中小企業の健康経営の項目を掲げておきます。
①経営理念
・健康宣言の社内外への発信
②組織体制
・健康づくり担当者の設置
・健康保険組合への健診データの提供
③制度・施策実行
・定期健診受診率の改善
・受診勧奨の取り組み
・ストレスチェックの実施率の改善
・健康教育の実施
・ワークライフバランスの推進
・職場内コミュニケーションの促進
・復職、両立支援
・特定保健指導の受診率の改善
・食生活の改善に向けた取り組み
・運動機会の増進
・女性の健康保持、増進
・長時間労働者への対応、長時間労働の改善
・メンタルヘルス対応
・感染症対策
・喫煙率低下に向けた取り組み
・受動喫煙防止対策