ソマティック・エクスペリエンシングから「安全だと感じられること」へ——子ども時代の被虐待経験の程度が異なる成人における身体志向介入の効果

From Somatic Experiencing to felt safety: assessing the effects of a body-oriented intervention in adults with various degrees of child maltreatment.

効果を検証した研究無作為化比較試験(RCT)全文が読めます
著者
Lehmivaara J.・Jansson B.・Bernhardsson J.・Cloitre M.・Pfaltz M.C.
掲載誌
European journal of psychotraumatology
巻号ページ
17巻1号33-54頁
発行年月日
2026年1月26日
PMID
41586542
技法
SE
研究デザイン
無作為化比較試験(RCT)

この研究のまとめ

P|対象

子ども時代の被虐待(CM)の程度がさまざまな成人。研究Iは心理的安全感の乏しい89名、研究IIは身体境界の乱れ(DBB)のある55名。

E|介入

SE(ソマティック・エクスペリエンシング)に由来する60分の身体志向の短時間介入。

C|比較

比較対照:心理教育の対照群への無作為割付(2つの研究で実施)。研究Iは心理的安全感、研究IIは身体境界の乱れを評価。心拍(HR)・心拍変動(HRV)も測定。

O|結果

研究Iでは、対照群と比べSE群で心理的安全感が上昇した(d=−0.95、p<0.001)。ポジティブ・ネガティブな感情の種類や社会的つながり感にもSE群特有の変化が認められた。心拍は両群で低下し、心拍変動は両群で上昇した。研究IIでは、対照群と比べSE群で身体境界の乱れが減り(d=1.13、p<0.001)、作用機序と想定される内受容感覚への気づきが高まった。著者らは、SEにもとづく短時間の介入が、被虐待歴の程度を問わず一時的な安全感の状態を生み、社会的つながり感を高めうると述べている。

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抄録

日本語訳

【背景】子ども時代の被虐待(養育者による子どもへのネグレクトと虐待)は、心理的な安全感の低下と、身体の境界が乱される感覚(DBB)に関連し、いずれも社会的機能を損なうと考えられている。しかし、心理的な安全感を高めDBBを減らす、エビデンスに基づく介入は不足している。 【目的】2つの研究でそれぞれ実験を行った。研究Iは、ソマティック・エクスペリエンシング(SE)に由来する短時間(60分)の身体志向介入が心理的な安全感に及ぼす効果を検討した。研究IIは、同じ介入がDBBに及ぼす効果を検討した。 【方法】いずれの研究でも、自己報告による下位分類の合計得点に基づいて被虐待経験の程度が異なる成人を、SE群と心理教育の対照群に無作為に割り付けた。研究Iは心理的な安全感が乏しい参加者89名、研究IIはDBBのある参加者55名を含む。 【結果】研究Iでは、対照群と比べSE群で心理的な安全感の上昇がみられた(d=−0.95、p<0.001)。SE群に固有の変化は、さまざまな種類の肯定的・否定的感情と、社会的なつながりの感覚にも認められた。心拍数は両群で低下し、心拍変動は両群で上昇した。研究IIでは、対照群と比べSE群で身体の境界が乱される感覚(DBB)が減り(d=1.13、p<0.001)、作用の仕組みとして想定される内受容的な気づきの向上も認められた。 【結論】短時間のSEに基づく介入は、被虐待経験の程度が異なる成人において、その場での安全感を促し、社会的なつながりの感覚を高めうる。SEのより持続的な効果を今後検討すべきである。

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訳:本サイト(AIによる翻訳)

原文(English)を表示

【Background:】 Child maltreatment (CM), i.e. neglect and abuse of children by their caregivers, has been linked to reduced psychological safety and a sense of disrupted body boundaries (DBB), both of which have been proposed to impair social functioning. However, evidence-based interventions to increase psychological safety and to reduce DBB are lacking.【Objectives:】 We conducted two experiments across two separate studies. Study I examined the effect of a brief (60-minute) body-oriented intervention, derived from Somatic Experiencing (SE), on psychological safety. Study II investigated the effect of the same intervention on DBB.【Methods:】 In both studies, adults with varying levels of CM exposure, based on total self-report scores across subtypes, were randomized to an SE group or to a psychoeducation control group. Study I included participants with a lack of psychological safety (n = 89); Study II included participants with DBB (n = 55).【Results:】 In Study I, compared to controls, the SE group showed an increase in psychological safety (d = -.95, p < .001). SE group-specific changes were also found for different types of positive and negative affect and for social connectedness. Heart Rate (HR) decreased, and Heart Rate Variability (HRV) increased across groups. In Study II, compared to controls, the SE group showed a reduction in DBB (d = 1.13, p < .001) and an increase in interoceptive awareness, a proposed mechanism of action.【Conclusions:】 A brief, SE-based intervention can facilitate momentary states of perceived safety and improve social connectedness in adults with different levels of CM. Future research should explore longer-lasting positive effects of SE.

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