Memory and eye movement desensitization and reprocessing therapy: a potentially risky combination in the courtroom.

この研究についてEMDRに批判的な立場から書かれた総説です。効果を測った研究ではなく、EMDRを受けた方が後に法廷で証言する場面を想定して、記憶の正確さへの影響を論じたものです。記憶が不正確になる可能性の指摘であり、治療効果を否定したものではありません。
効果を検証した研究ナラティブレビュー・総説
著者
Otgaar H.・Houben S.T.L.・Rassin E.・Merckelbach H.
掲載誌
Memory (Hove, England)
巻号ページ
29巻9号1254-1262頁
発行年月日
2021年8月18日
PMID
34404311
技法
EMDR
研究デザイン
ナラティブレビュー・総説

この研究のまとめ

P|対象

EMDRを受けた人が後に法廷で証言する場面。記憶の正確さが問題となる文脈。

E|介入

EMDR。眼球運動、治療者の信念、治療上の教示という3つの構成要素を記憶研究の知見に照らして検討。

C|比較

比較対照:なし。既存の記憶研究の知見を統合した批判的検討。

O|結果

本総説は、EMDRのいくつかの要素が記憶の正確さを損なう可能性を論じている。第一に、眼球運動は記憶の質と量を損なうことが示されており、自伝的体験の鮮明さと感情性を低下させ、自発的な虚偽記憶を増幅する。第二に、EMDRの実践者のかなりの割合が抑圧記憶という議論のある考えを支持し、治療の中でこの話題を扱っている。第三に、オランダのEMDRプロトコルでは、記憶についての不正確な比喩(記憶はビデオのように働く、など)を用いて対象イメージを選ぶよう教示される。著者らは、こうした教示が、治療中のイメージを実際の記憶と過剰に解釈させる要求特性を生みうると論じている。

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